富士山3rd⑥ 遅れだす
登っている人はほとんどいない。
いても、海外の方ばかり。
なかなかのコンディションの悪さやもんなぁ。
そういえば、いつも同じタイミングで休憩している外人カップルがいる。
ほんと、毎回一緒なのであいさつしたり簡単な会話をしたりする。
ブルガリア出身らしい。
少し遅れて到着する母を応援してくれたりしてる。
いいやつやん!ちょっと楽しいかも!
仲良くなったので、カントリーマアムを分けてあげる。
再び、登山。
カッパを着ているが、雨がずっと降っているので、下着までびちょびちょ。
かなり冷えてきた。
かといって着替えを持ってきていないので、持ってきたヒートテックやセーターを上から着こむ。
着ないよりはましかな。
頂上に近づくにつれて、母の歩みが遅くなる。
少しでもサポートするために荷物を支えたり、後ろから歩く補助をする。
それでもかなり遅い。
「あと、どんぐらいあんの?あっちのほう行ったら帰れるんかな?」
「後悔せえへん?帰ってもいいけど、もう一緒に登ることはないよ。」
年齢やトレーニングをしないということもある。
それにそもそも楽しくないし、僕は登りたくないのだ。
「ゆっくりでいいなら頑張れる。」
「ほんならそれでいこう。」
補助をしながら、ゆっくり着実に頂上に向かっていく。
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